いいわけ

こんなマンガみたいなことが実際にあるのかと本気で情けなくなった。向かってくるボールに気づかないなんて……

どうせマンガみたいなことが起こるなら、もっとロマンチックなシーンが良かった。あたしは俯きながらも素早い動きで先生の所に向かった。


着ていたジャージまでも鼻血で無残になっていて、トレーナーに着替えた。きっと体育館の床にも血痕が残ってるのかもしれない。とりあえずそれを拭きにいこうと体育館に向かった。

「大久保ゆめちゃんだよね?大丈夫?」
「おっまえウケんなー!鼻血とかヤバいし!」

なんか知らないけどいろんな人に話しかけてもらえて、少しだけさっきの出来事に感謝した。

啓太も話しかけてくれたし、良いハプニングだったのかも。まあマヌケなことには変わりないんだけど。

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