いいわけ
次の日、登山の予定にも関わらず外は生憎の雨だった。
正直あたしは登山とか疲れるから雨でもそんなにガッカリはしなかったけど、啓太は多分落ち込んでるだろうな。昨日はあんなに嬉しそうに登山の話してたし、なんて声をかけようか。
朝会の時に啓太をちらりと見たら、やっぱり落ち込んでて少し気の毒になった。
「えー、昨晩早速ですが、規則を破った者がいます」
先生の話にみんな一斉に意識を向ける。どうやら深夜に男女で部屋の行き来をしていたらしく、今は別の部屋で反省文を書いているようだった。
先生は名前を出さなかったけど、誰かだなんてすぐにみんなに知れ渡っていた。その何人かはあたしと同じクラスで、入学してから先生に目をつけられてるグループだった。