いいわけ

「おーい、俺らも話にいれろよー」

あたしはその声にびくっと反応した。

「け、啓太……」

なんで話しかけてくれたんだろう。違うとは分かっていても、あたしの心は浮かれていた。啓太には彼女がいるし、まさかありえない。

啓太の友達もいたのに、あたしには啓太しか見えていない。そのあまりの盲目っぷりに気づいた時は、自分でもびっくりした。

こんなに人を好きになるなんて、あたしにもできるんだ。いや、できるとかできないじゃない。自然となっちゃったんだ。

啓太の近くにいれて幸せ。啓太と話せるだけで嬉しい。

好きすぎて会話の内容なんかどうでも良かった。たとえ鼻血の話をされようとも、啓太と話してることがたまらなく幸せだった。


気づけば啓太と２人きりになっていて、拍車をかけるように話題は恋愛の話になっていった。