いいわけ
次の日、前日の大雨とは打って変わって晴天だった。今日は湖に観光しに行く日。そして最後の夜と言うことで、キャンプファイヤーをすることになっていた。
あたしは夜まで啓太と顔を合わせることはなかった。
恋は人を変えるってのは本当のことみたい。いつも目で探してしまう。会いたいって思ってしまう。
そしてキャンプファイヤーの時、あたしはどうしても会いたくなって啓太を探していた。
さりげなく、偶然を装って……
昨日も会ったのに、なんだか少し緊張する。最悪話はできなくてもいい、ただ姿を見れるだけでも良かった。
みんな最後の夜だからかはしゃいでいる。楽しげな表情をオレンジ色に染めていた。
啓太の友だちがちらりと見えて胸が高鳴る。近くにいるのかなーと思って周りを見渡しても、啓太は見つからなかった。
あれ、トイレにでも行ったのかな?啓太の友だちに聞こうと思ったけど、なんて聞けばいいか思いつかなかったから止めた。