いいわけ


啓太は女友だちが多いし、それなりにモテていた。もし上手くいったとしても嫉妬ばかりして、きっとあたしはダメになる。

だから啓太のこと……諦めようとしてたのに。


『俺、昨日彼女と別れた』


くだらないメールばかりしてたのに、文末にいきなり書かれていた。あまりにもびっくりして3回も読み直した。

え、これはどういう意図なんだろう。別れたって昨日!?しかも妙に冷静だし!振ったの?振られたの!?ええ、ここは慰めるべき?というかなんて送ればいいのー!?

あたしのテンションはおかしな方向に最高潮だった。そしてひどいことに、心の底で浮かれてる自分がいた。

何分か自問自答し、とりあえず返事を返す。

『え、うそ!?』
『本当だし(笑)』

軽い返事にあたしは驚いた。もっと啓太は落ち込んでると思った。だって別れただなんて、振ったにしろ振られたにしろ辛いと思う。


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