いいわけ


「あのさ…、昨日のメール見た?」

啓太と2人、学校の体育館から少し離れた自販機の所に来ていた。啓太はスポーツタオルで汗を拭いてる。あたしは変な汗が噴き出しそうだった。

「見たよー!あ、昨日は返信できなくてごめんね!眠たくってさあ~」

あたしダメだね~アハハ~……と、空回りな笑い声が廊下に響く。間がもたない……

しばらく沈黙が続いた気がする。なにしろすごい緊張してるから、時間の経過がよく分からない。

俯いていた啓太が、いきなりあたしの顔を真面目に見る。目線の高さも同じくらいで、あたしは目をそらせなかった。

なぜか啓太はやたらと近づいてくる。あたしは足も動かないまま、ただ固まってるだけ。すると耳元で声が。

「なあ、俺ら付き合う?」
「……っええ!?」

こここ、これは告白!?好きだ、とか付き合ってほしい、とかじゃなくて疑問系!?


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