いいわけ

啓太の気持ちが分からない。あたしの頭の中は大パニックだった。啓太はそんなあたしを見て、だるそうに頭を掻いた。

「俺のこと好きなんだろ？」
「……っけ、啓太は！？あたしのこと……その……」
「……まあ、そうだけど」

啓太の顔は真っ赤だった。そして啓太の言葉を聞いたあたしの顔も。

直接言えない２人の気持ち。それでも今は言葉がなくてもいいんじゃないかなって思えた。

「……じゃ、付き合お…っか」
「……おう」
「改めまして、ふつつか者ですがよろしくお願い致します」
「……何時代だよ」

そんなこんなであたしたちは付き合うことになった。ちなみに同じ部活の人にはすぐにバレた。どうやらあたしも啓太も顔がニヤニヤしてたみたいで、気持ち悪かったらしい。

「加奈ー！行っくよーおっほほー！」
「キモっ！」