生意気な王子様達のいいなり♡
『はぁぁぁ…』
私は教室で大きなため息をついた
「あっら、どーしたのよ夏紀」
そんなため息に気づいた杏菜ちゃんが
後ろにイスを引いた
『はぁぁぁ…っ』
「はい2回目、元気ないわね」
杏菜ちゃんは肩まであるサラサラの髪を
耳にかけ私に言った
『私…っ大変な仕事頼まれちゃった…』
少し声が震えてしまった
「ぇ?何を?」
杏菜ちゃんは私の机に頬杖をついた
『千堂先生に…』
「千堂?…あーサッカー部の顧問か」
『どうしょ…』
私はもう一度ため息をついた
「ぁ、マネージャーなれって言われたんだ」
杏菜ちゃんはハッとした顔をした
『なんでわかったの!?』
私は顔を上げた
「夏紀の元気がないの見ればわかるよぉ、あんた男嫌いだもんね」
杏菜ちゃんはそう言った
『うん…っ』
私は小さくうなずいた
「サッカー部のマネージャーねぇ…」
『ん?どうしたの?』
「いや…とにかくあんたが断れなかったってことは千堂が嘘泣きでもしたんでしょーね、あんた優しいからだまされたんでしょ」
杏菜ちゃんはため息まじりに言った
『あはは…』
私は杏菜ちゃんの言葉に苦笑いした
「まったく…千堂も千堂よ…男に興味すらない女子選んだわね…」
杏菜ちゃんのため息に私は首を傾げた
『どういうこと?』
「サッカー部のマネージャー候補ってたくさんいるのよ、ほらあの軍団モテるからさ…でもほぼ恋愛目的の女子ばっかだからあいつらがつけあがんの」
『そうなんだ…』
「だからあえて仕事もちゃんとこなせて男嫌いな夏紀に頼んだんじゃない?」
杏菜ちゃんの考えに私は少し納得した
『でも、やっぱ怖いなぁ』
「あいつら生意気だから気をつけてね。
先輩だろーがなんだろーが完全なめられるから」
杏菜ちゃんて色々なこと知ってるなぁ…
私なんかより杏菜ちゃんの方がマネージャーに向いてると思う…と心の中で思った
『放課後から…がんばらなきゃなぁ』
私はぎゅっと拳をにぎった