宿った命
ラックの予感
☆
今朝、修平が降りたバス停にラックはいた。
口を尖らせながら降り積もる雪を踏んでいると、時折キュッと音がなることに興味津々で夢中になっていた。
〈何で追いかけてこないのさー!?〉
空に向かって叫ぶラックの声は誰にも聞こえない。
ラックはここが人間界であり、ここで自分と話が出来るのはリーフと修平だけだということに、改めて気付かされた。
〈この手に・・・大きな力が・・・?〉
自分の両手を見つめ、ラックはぽつりと呟いた。
そんなラックの耳には聞き覚えのある声が聞こえていた。
「修平、バスが来る時間まであと30分あるよ?」
〈紗季だ!〉
ぱっと顔をあげると、遠くから修平と手を繋いだ紗季が見えた。
2人の後ろにリーフの姿を見つける。
ラックは思わずホッとした顔をしたが、リーフと目が合うとうつむいた。
「雪、結構降ってんなー」
「雪だるま、作れるかな」
「そういえば、去年作ったんだっけか」
「修平・・・覚えてたの!?」
「ああ。楽しかったしなぁ。紗季といると何でも楽しいし、クラス離れるとか惜しいよな」
修平が白い息を吐きながら話し始める。
紗季は自分の体温がさらに高まったことに気付き、そっぽを向いた。
「そうだね。修平は馬鹿だし、子供のまんまだし。あたしも・・・・」
〈楽しかったの?〉
途中で口を噤んだ紗季に、ラックが聞いた。
修平はその声に反応し、横目でちらっとラックを見たが、何事もなかったように口を開いた。
今朝、修平が降りたバス停にラックはいた。
口を尖らせながら降り積もる雪を踏んでいると、時折キュッと音がなることに興味津々で夢中になっていた。
〈何で追いかけてこないのさー!?〉
空に向かって叫ぶラックの声は誰にも聞こえない。
ラックはここが人間界であり、ここで自分と話が出来るのはリーフと修平だけだということに、改めて気付かされた。
〈この手に・・・大きな力が・・・?〉
自分の両手を見つめ、ラックはぽつりと呟いた。
そんなラックの耳には聞き覚えのある声が聞こえていた。
「修平、バスが来る時間まであと30分あるよ?」
〈紗季だ!〉
ぱっと顔をあげると、遠くから修平と手を繋いだ紗季が見えた。
2人の後ろにリーフの姿を見つける。
ラックは思わずホッとした顔をしたが、リーフと目が合うとうつむいた。
「雪、結構降ってんなー」
「雪だるま、作れるかな」
「そういえば、去年作ったんだっけか」
「修平・・・覚えてたの!?」
「ああ。楽しかったしなぁ。紗季といると何でも楽しいし、クラス離れるとか惜しいよな」
修平が白い息を吐きながら話し始める。
紗季は自分の体温がさらに高まったことに気付き、そっぽを向いた。
「そうだね。修平は馬鹿だし、子供のまんまだし。あたしも・・・・」
〈楽しかったの?〉
途中で口を噤んだ紗季に、ラックが聞いた。
修平はその声に反応し、横目でちらっとラックを見たが、何事もなかったように口を開いた。