宿った命
☆
肌が白く、大きなグレーの瞳をした女の子が、その場所に立っていた。
リーフは信じられないというような顔でその女の子を見つめた。
『知ってるのか?』
〈ああ・・・。一応・・・〉
〈修平。初めまして。私はイリア。
ずっとあなたたちの様子を、向こう側から見ていたの〉
透き通るような綺麗な声をした女の子、イリアは
丁寧にお辞儀をするとリーフを見つめた。
〈リーフ。ラックとは一緒じゃないの?〉
〈あ、ああ。紗季のところだと思うけど・・・。お前、なんで人間界に・・・〉
〈修平。あなたは紗季のところまで行くことが出来るわ〉
『え・・・。本当か!?』
〈ええ。ただし、ラックにしか出来ない、特別な魔法でね〉
イリアは静かに笑うと、淡々とそういった。
〈なんでお前にそんなこと・・・〉
リーフが怪訝そうにそう言うと、イリアは真剣な顔つきで話し始めた。
〈リーフも知らない事実、教えてあげる。
あれは私が妖精として生れ落ちたばかりのことだった―〉