宿った命




肌が白く、大きなグレーの瞳をした女の子が、その場所に立っていた。



リーフは信じられないというような顔でその女の子を見つめた。


『知ってるのか?』


〈ああ・・・。一応・・・〉


〈修平。初めまして。私はイリア。
ずっとあなたたちの様子を、向こう側から見ていたの〉


透き通るような綺麗な声をした女の子、イリアは
丁寧にお辞儀をするとリーフを見つめた。


〈リーフ。ラックとは一緒じゃないの?〉


〈あ、ああ。紗季のところだと思うけど・・・。お前、なんで人間界に・・・〉



〈修平。あなたは紗季のところまで行くことが出来るわ〉



『え・・・。本当か!?』


〈ええ。ただし、ラックにしか出来ない、特別な魔法でね〉


イリアは静かに笑うと、淡々とそういった。


〈なんでお前にそんなこと・・・〉


リーフが怪訝そうにそう言うと、イリアは真剣な顔つきで話し始めた。


〈リーフも知らない事実、教えてあげる。
あれは私が妖精として生れ落ちたばかりのことだった―〉


< 29 / 63 >

この作品をシェア

pagetop