宿った命
☆
遠くからラックが走ってくるのが見える。
修平はにこやかに手を振った。
リーフがラックに駆け寄ると、ラックは気まずそうにうつむいた。
〈リーフ・・・。あのさ、ずっと離れててごめ―〉
〈言わなくていい。今回のはお互い様だろ?〉
〈リーフ・・・〉
〈それより、落ち着いて聞いてほしいことがある〉
〈うん。何?〉
リーフは一から説明を始めた。
修平が死んでから、ずっとここから離れられないでいること。
イリアが心配で人間界までやってきたこと。
昔、イリアがラックに助けられたこと。
修平の“魂の定着”をすれば、何かに形を変えて、
紗季に会いに行くことができるかもしれないということ・・・。
それはラックにしか出来ない強力な魔法で、修平がそれを望んでいるということ。
『ラック・・・。お願いだ。協力してくれないか』
修平が最後にそう頭を下げると、ラックは顔を曇らせて口を開いた。
〈・・・嫌だ〉
『な・・・んで・・・。何でだよ!?』
〈おい、ラック!お前にしかできないんだぞ!?修平の頼みだろ!?なんで・・・〉
〈修平もリーフも、そんなことして紗季が傷付くってこと、わからないのかよ〉
『紗季が・・・?』
〈なんで・・・〉
〈会ってどうするんだよ。修平。
もし修平に気付いて変に思い出させたりしたら、
紗季はまた苦しい思をすることになるんだぞ?〉
ラックの言葉に、修平は眉間にしわをよせた。
遠くからラックが走ってくるのが見える。
修平はにこやかに手を振った。
リーフがラックに駆け寄ると、ラックは気まずそうにうつむいた。
〈リーフ・・・。あのさ、ずっと離れててごめ―〉
〈言わなくていい。今回のはお互い様だろ?〉
〈リーフ・・・〉
〈それより、落ち着いて聞いてほしいことがある〉
〈うん。何?〉
リーフは一から説明を始めた。
修平が死んでから、ずっとここから離れられないでいること。
イリアが心配で人間界までやってきたこと。
昔、イリアがラックに助けられたこと。
修平の“魂の定着”をすれば、何かに形を変えて、
紗季に会いに行くことができるかもしれないということ・・・。
それはラックにしか出来ない強力な魔法で、修平がそれを望んでいるということ。
『ラック・・・。お願いだ。協力してくれないか』
修平が最後にそう頭を下げると、ラックは顔を曇らせて口を開いた。
〈・・・嫌だ〉
『な・・・んで・・・。何でだよ!?』
〈おい、ラック!お前にしかできないんだぞ!?修平の頼みだろ!?なんで・・・〉
〈修平もリーフも、そんなことして紗季が傷付くってこと、わからないのかよ〉
『紗季が・・・?』
〈なんで・・・〉
〈会ってどうするんだよ。修平。
もし修平に気付いて変に思い出させたりしたら、
紗季はまた苦しい思をすることになるんだぞ?〉
ラックの言葉に、修平は眉間にしわをよせた。