宿った命
『・・・そんなん聞いたら尚更だ・・・』
〈え・・・?〉
〈・・・・・〉
『ラック。やってくれないか?お願いだ。それしか俺にはないんだ』
〈でも・・・っ!!紗季は修平のこと・・・〉
『だったら俺が行かなきゃなんねぇんだ。尚更、会いに行かねぇと・・・』
〈お前が死んだなんて辛い記憶・・・忘れてたほうがいいじゃんか!!〉
『それじゃだめなんだよ・・・っ!!』
修平は大きな声で叫んだ。
ラックが気圧され、そのまま押し黙る。
静かな場所に、張り詰めた静寂が襲う。
修平は俯いて、それから口を開いた。
『紗季の記憶の中に・・・。俺がいないなんて耐えらんねぇ・・・。
今までのこと、全部なかったことになんてしたくねぇんだ・・・・』
それは修平の初めて見せた、弱々しく、悲しげな叫びだった。
〈で・・でも、紗季がもし傷付いたら・・・〉
『俺には紗季を絶対に傷つけない自信がある!!
今までだってそうしてやってきた。
俺はずっとそうやってあいつのそばにいたんだ!!だから―っ!!』
修平は顔をあげ、先ほどとは違った強い瞳でラックを見つめた。