宿った命
雪兎
〈こんな小さなものでいいの?〉
イリアが心配そうにそう言うと、
修平は静かに口角をあげて頷いた。
『あれがいいんだ。ラック、お願いするよ』
〈そう・・・。じゃあ、今から準備するから、修平、こっちに来て〉
ラックに呼ばれ、修平はゆっくりと歩み寄った。
リーフとイリアはそれを見てバス停から少し離れた。
〈目を閉じて。次に目を開けた時には、修平。君は自由になる〉
ラックがそう呟くと、修平は小さく笑った。
それを遠くから見ていたイリアは小さく呟いていた。
〈あの時と同じ・・・。修平はきっと定着に成功するわ〉
リーフはそんなイリアの隣で、じっとラックを見つめていた。
ラックは本当に、魂の定着をやってのけるのだろうか。
ラックが手を翳すと、修平はその場に倒れ、気を失った。
ラックは修平に近付き、何かを唱え始めた。
遠すぎてよくわからない。次第に光に包まれるその光景を、
リーフとイリアは真剣に見つめていた。