宿った命



〈修平・・・?〉


ゆっくりと目を開ける。


修平はボーっとする意識の中、
先ほどよりもはっきりと見える景色に驚いていた。


体が軽い・・・。


みんなはどこに?


ラックの魔法は成功したんだろうか・・・。


〈修平、聞こえるか?〉


『リーフ・・・?』


声のするほうを目で追うと、
修平はびっくりして、驚きの声をあげた。


『うわ・・・っ!?なんででっかくなって・・・っ!?』


〈修平!成功したんだな!?〉


リーフの嬉しそうな声が返ってきた。


良く見ると、その後ろにはラックがしゃがみこんでいて、
その背中をさするようにイリアが支えていた。




成功・・・。したんだ。



これで、紗季のところへいける!!



修平はそれだけでいっぱいになり、思わず笑みがこぼれた。



ぴょんぴょん跳ねる修平。



“修平に似てない?”


“もっと強いやつに似てんの。俺は!”




そう。


修平が魂を定着させたのは、あの時紗季が作った雪ウサギだった。


幸い、溶けて消えていなかったそれを修平は見つけ、
あの日の会話を覚えていたのだ。


小さく跳ね回る修平を見て、リーフは静かに笑いかけて口を開いた。


〈あの時と逆だな。修平〉


『あ?』


〈お前、その姿のほうが可愛げあるな〉


『うるせぇな。なんかガキみたいな嫌味だな』


仕返しに言い返そうとしたリーフではあったが、
見事、修平にかわされてしまい、ふてくされる。


修平はラックの近くまで駆け寄り、ラックを見上げた。



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