宿った命
*
〈着いたぞ〉
リーフがそう言うと、修平はリーフの頭から飛び降りた。
いつもより見る視点が違うため、修平は新鮮さを覚えた。
〈どこにいるんだ?〉
『きっと、屋上かもしれない。紗季は屋上が好きなんだ。行こう』
〈あ、おい。待てよ!修平!!〉
動きが活発になった修平を追いかけて、リーフは走り出した。
リーフがやっとの思いで屋上の前に到着すると、修平がリーフを見つめた。
『開けらんねぇ。開けて』
〈・・・本当に会うのか?〉
リーフは真剣な声でそう聞くと、修平は間髪いれずに答えた。
『当たり前だろ。紗季は必ず俺のことを思い出す』
〈修平、頑張れ〉
リーフは一言だけそう言うと、屋上の扉をゆっくりと開けた。