宿った命



紗季の記憶が一瞬にしてフラッシュバックを起こす。



“おはよう。紗季”




          ―遅いよー!




“素直じゃねぇなぁ”




          ―修平のくせに、生意気!




“紗季・・・”




          ―こんなところでサボってたの!?




“紗季。帰るぞ”




          ―でも・・・っ!!




“紗季といるの、楽しいし”




               ―あたしも・・・




“もうすぐ、クリスマスだな”




               ―忘れてた




“いないの?好きなやつ”




               ―いないよ。いたら修平なんかと・・・




“何してんだよ!?”




               ―この子、修平に似てる




“強い奴と似てんの。俺は”




               ―えー?似てるよ




“紗季は俺がいないとダメだな”




               ―修平がいなくたって・・・




“紗季は強いな・・・”




               ―あたし、本当は・・・




“危ない!紗季!”




               ―修平!!!





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