宿った命
*
*
*
〈こんなこと・・・有り得ない・・・〉
リーフはただ、つぶやくことしか出来なかった。
こんなことあるんだろうか。
紗季の手の中から飛び出した修平は
紗季が階段を踏み外し真っ直ぐに落ちていくその前に、
下に着地すると、両手を広げた。
リーフは確かにその姿を見た。
ちゃんと、人間の形をした修平の姿を。
両手を広げて紗季をしっかりと受け止める修平を、
リーフはそのエメラルドの瞳に映していた。
「しゅうへ・・・・修平!?」
修平は紗季を強く抱きしめ、壁にもたれかかっていた。
「やっと・・・、やっと触れられた」
修平はそう、静かに呟いた。
紗季は顔をあげて修平の顔を見た。
依り白としての修平ではなく、
ちゃんと形ある修平の顔を。
「紗季・・・好きだよ」
「修平・・・・」
「最後まで、守ってやれなくてごめんな」
修平は悲しそうに顔を歪めて笑うと、
紗季の頭をくしゃっと撫でた。
「俺がいなくなっても、泣かないで。ずっと、傍にいるから・・・」
「修平・・・・あたし・・・あたしも・・・・っ!!!」
「紗季・・・。最後にお前と会えて嬉しかったよ」
―修平・・・っ!!―
ずっと傍にいるから。だから、泣かないで。紗季―。
*
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〈こんなこと・・・有り得ない・・・〉
リーフはただ、つぶやくことしか出来なかった。
こんなことあるんだろうか。
紗季の手の中から飛び出した修平は
紗季が階段を踏み外し真っ直ぐに落ちていくその前に、
下に着地すると、両手を広げた。
リーフは確かにその姿を見た。
ちゃんと、人間の形をした修平の姿を。
両手を広げて紗季をしっかりと受け止める修平を、
リーフはそのエメラルドの瞳に映していた。
「しゅうへ・・・・修平!?」
修平は紗季を強く抱きしめ、壁にもたれかかっていた。
「やっと・・・、やっと触れられた」
修平はそう、静かに呟いた。
紗季は顔をあげて修平の顔を見た。
依り白としての修平ではなく、
ちゃんと形ある修平の顔を。
「紗季・・・好きだよ」
「修平・・・・」
「最後まで、守ってやれなくてごめんな」
修平は悲しそうに顔を歪めて笑うと、
紗季の頭をくしゃっと撫でた。
「俺がいなくなっても、泣かないで。ずっと、傍にいるから・・・」
「修平・・・・あたし・・・あたしも・・・・っ!!!」
「紗季・・・。最後にお前と会えて嬉しかったよ」
―修平・・・っ!!―
ずっと傍にいるから。だから、泣かないで。紗季―。