セカイ

アンチ

けれども

最近アンチの元気がないみたい。

最初はほうっておいたんだけれど

まるで

しぼんでしわしわになった風船みたいになっちゃって

笑いもしなくなった。



だから

心配になって聞き出したの。



なかなか言わなかったけれど」

友達に秘密にするなんて

おかしいじゃない。



アンチもわかってくれたらしく

しぶしぶ教えてくれた。



アンチは

何かにおびえていた。



何だろう？



そういえば

あたしもうすうす気づいていたんだけれど

ここ最近

寝ていると

誰かが部屋の中に入ってくる。



そーっとそーっと入ってきて…



気が付いたら

朝になっている。



アンチはそいつにおびえているみたい。

友達が弱っているときは

助けてあげるのが友達よね？



だから

今夜はずっと起きていて

そいつをつかまえて

聞いてやろうと思うんだ。



あたしのお部屋に何の用？



て。



万が一

そいつが

すごーく強いやつだったら大変だから

積み木をベッドの下にかくしておいた。



そいつが悪いやつだったら

投げつけてやるんだ。



…でも

もし悪いやつじゃなかったら

友達になろうと。