午前0時にキスして
那智さんは、手招きをするもんだから仕方なく傍に近づくと手を引っ張られ背中越しから抱きしめられると『昔飼っていた、猫のヒナを思い出すんだ』
猫!?
私が抱き枕されていたのは、猫のヒナに似ていたからなのか……
抱きしめられた手を離し那智さんに向かって睨みを入れリビングの天井をクルクルと回っていると寝室から出てきた那智さんは、髪をクシャリと掴み
エスプレッソを入れるとソファーに座ってカップの淵からチラっと私を見つめた。
『怒るなよ、昨日映画館で気づいたらお前が横で寝てて段々色が薄くなって行くから抱きしめたら元に戻って、心配になって仕方なく抱き枕してたんだ』