午前0時にキスして



「相変わらず変な呑み方だな」

そう言ってチラッと見つめる那智さんの視線は時にドキっとする。

「疲れた」
「何に疲れるんだ?ただ座って客に笑顔を振りまけば金が入るんだ、難しい事ないだろ」

そうかもしれないけど、別に仕事の事で疲れているわけじゃないの。

「そうじゃないよ」

手に持ったカクテルをクッと喉の奥に流し込むと那智さんの前に空になったグラスを置き「もっと強めのカクテルをちょうだい」そう言って私は軽くため息を吐いた。






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