午前0時にキスして
ふわふわするカラダを病院の床におろし那智さんの手を掴んで病室を後にしようとしたらドアが開いた。
一瞬の出来事だった。手を掴んでいた私は実体化していて誰かに見られていたら大変な事になっていたのかもしれない。
だけど那智さんの咄嗟の判断により危機一髪。
それはドアが開く寸前、那智さんは、私の腕を引っ張り後頭部を抑えると抱きしめ顔が見えないようにした。
もし手を掴んでいる人が那智さんじゃなかったら、この状態をクリアできなかったかもしれない。