午前0時にキスして
見回りか...そう思った私は、膝を抱え顔を下に向けた。
キーっと病室のドアが開き、コツンコツンとベッド脇で足音がピタっと止まる。
どれぐらい止まって見てるんだろう?
足元をチラっと覗いた。
そんな寝てる私を見てもつまらないでしょ...
「ッタク...やっぱりここに居たのか?」
下に向けていた顔を上に向けると額に汗をかいた那智さんが目の前に立っていた。
「っな何でいるのよ!」
「迎えに来てやったんだ」
「来て要らないよ、このまま成仏するんだから」
「成仏するのは勝手だ、だけど残された人の事も考えろ」
「誰も私の事なんて忘れてるよ」