午前0時にキスして
ポケットに入れていた、ネックレスを取り出すと女の人が見えるように前に出した。
「それは!?」
女の人はインロックを外し玄関を開けると目を腫らし今まで泣いていました、というような顔をしていた。
「これ...何処で見つけたんですか?」
那智さんの横に居た私は、女の人を見つめ
「あの...黒猫ちゃんが持ってたんです...」
「黒猫?」
「私の後ろに黒猫ちゃんがいるんですよ」
那智さんの手を掴んだまま振り向くと黒猫ちゃんがいなかった。
どこ行ったのかな?
「あの...ありがとうございます。この指輪...カレシから貰って辛くてベランダから放って...でも、やっぱりと思って探したんだけど見つからなくて...ありがとうございました」