午前0時にキスして



那智さんは、優しそうな瞳で手を振ると猫の体から碧い光がすっと空に昇って行った。

なんだか...変な気持ち。空に帰るのって...そんなに悪いもんじゃないのかもしれないな...

繋いでいた手を那智さんから離すと腕を組みながら部屋に戻り

そして

「那智さん...もし私が空に帰ったら...」
「黙れ...寝るぞ」

私の後頭部に手を当てキュッと抱きしめると、おでこにキスを落とし、ちょっとだけ那智さんの不思議な話を聞いてから深い眠りについたのだった。




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