午前0時にキスして



「那智さん...大丈夫?」

パシャンパシャンと顔を洗い、鏡越しから那智さんが私を見つめる。

「大丈夫だ、ちょっと目まいがしただけだ」

「目まいだけって...何処か悪いから目まいがするんだよ、病院に行こうよ」

「病院か...ベッドでちょっと寝れば治る、ついでにお前が抱きしめてくれたら早く治るかもしれないな」

鏡越しから見える那智さんの口元は笑っているようで笑っていなかった。

「分かった、栄養あるもの作って持っていくからベッドで寝て」

那智さんは、前髪で目を隠しながらふらふらと寝室に入り扉ドア閉めた。

・・・温かい物を作るんだ。


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