午前0時にキスして



那智が抱きしめる事で力をお前に分けてやり40日と言う時間が与えられていた。那智も限界だったんだ」

「どうして!」

「お前と一緒にいるうちに愛を知ったからだ」

那智さんのばか。私の為に力なんて要らないよ。

「お願い、時間を戻す事は出来ないの?」
「無理だ」

これじゃ那智さんが可哀そうだよ。

死神さんに『空に帰って生まれ変わったらどうだ?』って言われた時、無理維持しないで空に帰っていれば、こんな事にならなかったのに。

ごめんね
那智さんごめんね...

「もう時間だ、那智の思いを無駄にするな...」

死神さんが、そう言うと体が吸い込まれ記憶が薄れていく。

死神さん...

泣きながら呟くと死神さんが何かを口にした《忘れるな。そうすれば何処かで会えるはずだ》そう言って切なそうに手を振り

私の記憶がプツリと消えていった――...。








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