午前0時にキスして
隠れていると後ろから那智さんに声をかけられる。
「し~今入ってきた人、カレなの」
「別に出てきたらいんじゃないのか?」
疚しい事は無いけど、仕事でデート断ったのにココで合うなんて何だか私とデートするのイヤみたいでしょ?
「ずっとココに隠れてるのか?」
「うん……」
那智さんの顔を見つめながら鼻先に両手を合わせた。
「仕方ない、鞄持ってきてやるからちょっと待っとけ」
ひと安心すると、しゃがんだままカウンターに背中をあて聞き耳を立てた。