午前0時にキスして



そんな事を思いながら涼太のマンションの部屋のドアの前に座り手に持っていた缶コーヒーを飲みながら出会った頃を思い出していた。

思い出せば思い出すほど、涼太は優しかった。何を私は物足りなかったんだろう?

完璧な人なんて、この世の中にいないのに、私は涼太に何を求めていたの?

涼太、会いたいよ。会ったら、ちゃんと返事するから帰ってきてよ。

ポロポロ出てくる涙を吹きながら夜の空を見つめるとエレベーターが開き男女の声が聞こえてくると声のする方に顔を向け、ちょっとだけ暗い前を見つめた。





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