午前0時にキスして



そんな他愛もない時間を過ごし腕時計を確認すると午後4時を過ぎていた。

釣り堀に来たのは午後12時半過ぎ、かなりバケツの中身も増えた、これなら勝てる。

エサをつけたまま釣り竿を置き、バケツを持って那智さんの場所へ行くと……

鯛が沢山釣れてる。

チラリ那智さんを見つめると悪代官そのもの。

「温泉旅行ゲットな」

クククっと笑う那智さんを横に元の場所に戻ると浮きがすごい勢いで動いているのに気づく。

急いで手に持っていたバケツをおろし釣り竿を持つとリールを引く。

糸を緩めては引き緩めては引きの繰り返しをするのだけど、なかなか釣れず、それに気づいた那智さんが傍にやって来た。

「地球釣ってるんじゃないのか?」
「ここは海じゃないよ」
「それとも、何処かに引っかかってるとか?」

「どうしてかな~私が大物釣るのがそんなに気に食わない?」

「当たり前だだろ、温泉旅館がかかってる」

「ねぇ~そんなこと言わないで、取りあえず一緒に引っ張ってくれる?」


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