午前0時にキスして
「半分は、俺の取り分だからな」
「し、仕方ないな~取りあえず引っ張って」
「よし、引くぞ」
グググと釣り糸を巻くと大きな波が淵にやってきた。
何この大きな影?
「聞いた事あるな~ここの池には、主が居るらしいぞ。ここの店主曰く1メートル以上大きな魚みたいだ」
池の主?昔話みたいな話ね。でも、その魚釣ってどうするの?魚拓でもするのかな?
「取りあえず、釣ってみないと分からなのね」
「これで釣ったら有名になれるな」
那智さんは、私の後ろに回ると一緒に竿を持ち一気に引っ張る。
すると水面からブクブクと泡が出てきたかと思うと大きな魚が飛び跳ねた!?
金色の鯉?
夕日がキラキラと魚の鱗に反射し目を閉じた瞬間ブチっと大きな音が聞こえると引っ張っていた私と那智さんは、後ろへと倒れた。
まるで放心状態。
「那智さん、これってあり?」
「生き物だからな」
クククと笑いながら楽しかった釣りデートは終わり、気づけば那智さんの手には、お持ち帰りの3匹の鯛が光っていた。