君との初
君との初キス
「真弥〜帰ろうぜ」
「あ、佐久夜!」
彼がいつものように、笑いかける。
いつも見ているはずなのに、その笑顔にキュンとしてしまう。
「見惚れてんじゃねーよ」
「っ?!見惚れてなんか…」
「ハイハイ。もういいから帰るぞ」
佐久夜はあたしの手に、指を絡ませてきた。
「あっ?!」
「あ?手ェ繋ぐぐらいいいだろ。うるさい奴」
こういう仕草に、いちいちドキドキしてしまう。
…付き合って一年経つのに、手を繋いだだけで反応してしまう。
だからキスも、その先も、まだしたことない。
一年も経つのに、遅いと思ってる。
…だけど、怖いんだ。
怖くて、出来ない。
でも佐久夜のために、頑張る。
佐久夜の喜ぶ顔が見たいんだ。