【短編】さくらいろ。
* * * * *
ゆっくりと目を開くと、温かな日差しが淡い花の香りと共に私を包んでいる。
そう、この道。
この桜の木はあなたの部屋からもよく見えたね。
もうすぐあなたがここを通る。
そして私はあなたに『好きです。付き合って下さい』って言ったんだ。
あなたは少し戸惑った表情で、小さく頷いてくれた。
私は嬉しくて嬉しくてあなたを手を握ると、あなたは真っ赤になってしまった。
そんな大好きな場所に私は立っている。
あなたの苦しみを消すために。