あなたをもっと好きになる。



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夕暮れに染まる校庭。

部活の終わりにストレッチをしようと、サッカー部がグラウンドの中央らへんにサークルをつくっている。


それを避けるようにしながら正門へと歩いていた彼女は、サークルの一部に声をかけられて歩みを止めた。



………沢田、か。

ほかのやつらは掛け声をかけてストレッチをしているというのに、沢田は笑いながら彼女……真奈に話しかけている。


満更でもなさそうにそれに応えている真奈に、あまりいい気分がしないのは、独占欲というものだろうか。



あの笑顔、独占したくなるのはしょうがねぇよな。

だってアイツ、美人だし。

男なら、見てしまうのはしょうがないだろ。

男の性だ。

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