あなたをもっと好きになる。


─────ぽんっ


ふいに頭を何かで軽く叩かれた。

「…っ……?」


「ペンの動き、止まってんぞ。」


………先生、だ。

ついさっきまで、私の席のある窓側とは反対の廊下側の席の子のほうから見て回っていたと思ったのに。


見上げてみれば、そこには丸めた教科書を手にした先生が私を見下ろしていた。

目があうと、なんだよとばかりにその瞳を細めた。

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