*ビビッドDAYS!*
「うじ君だって迷惑してるはずよ。あんたに付き纏われてから一気に有名人になっちゃったんだもの」
「迷惑……」
そうかなあ。
確かに、彼はいつもわたしを見て困ったように笑う。
イヤと言えずに、お愛想で笑っているだけなのかな。
「あんたはデッサンに集中しなきゃいけないし、彼のことは諦めて、もうそっとしておいてあげなさいよ」
そう言ってぽんとわたしの肩を叩き、アキちゃんは自分の定位置へ戻っていった。
黒板前でイーゼルに向かう彼女の姿を見ながら、わたしは釈然としない気持ちで胸元のオペラグラスを取る。
そして、いつものように窓の外に視線を向けた。