*ビビッドDAYS!*
うじ君を諦めてわたしがモチーフに選んだのは、
お気に入りのオペラグラスだった。
遅れを取り戻す勢いで毎日スケッチブックと向き合っているけれど、やっぱりわたしはデッサンが苦手だ。
「うぬぬ。まっすぐに線を引くこと自体が難しい」
どうしてあんな境界線を描くことができるのだろう。
頭の中に思い浮かぶのはうじ君のスケッチブックだ。
わたしがあんなふうに描けたら、デッサンの補習なんて必要ないのに。
「最近あいつのとこに行かないんだな」
ふと聞こえた声に顔を上げると、薄笑いを浮かべている信号機が目に入った。