*ビビッドDAYS!*
生徒達がひしめきあう食堂内、
カツカレーをテーブルに置いて着席すると、正面のアキちゃんが心底残念そうな顔をしていることに気付いた。
「アキちゃんどうしたの? そのハンバーグが思ったよりも美味しくなかったの?」
わたしがその心を汲み取るように優しく問いかけると、
彼女は切れ長の目をぎらりと光らせた。
「志摩、なんでさっき王子の申し出を受けなかったのよ。もったいない」
「断って当然だろ、あんなやつのモノを描いてもなんの得にも――ぐふっ」
蕎麦を啜っていた信号機に肘鉄を入れ、
アキちゃんは「原色ヤローが地味なもん食ってんじゃないわよ」と呟く。