*ビビッドDAYS!*
わたしが探し求めていたフォルム。
デッサンのモデル足りうる人物は、普通科に通う男子生徒だった。
「おいおいおいマジかよ志摩、あんなの地味中の地味男じゃねぇか。地味すぎて壁と一体化してるだろおい」
食堂から理想の彼の後を追ってきたはいいものの、後ろから目立つ2人が付いてくる。
そんな友人たちを極力無視しながらわたしは前方の細い背中を追いかけた。
「ねえ志摩、あれって、ユウレイ君じゃないの?」
くすんだ廊下に溶けそうな背中を見つめながら傍らのアキちゃんが呟く。
「ユウレイ君?」
「げっ、嘘だろ、人間じゃねぇの? うっわー、俺はじめて見ちゃった」
はしゃぐ信号機を冷ややかに見つめ、アキちゃんは言葉を続ける。