*ビビッドDAYS!*
「何なんですかって、ご挨拶ねえ。あたしたちはデザイン科の者よ。そういうあんたこそ、ユウレイ君で合ってるの?」
アキちゃんの言葉に、彼の薄めの眉がぴくりと動いた。
ほんの一瞬だけ覗いたその表情に、
わたしの心臓はことりと音を立てる。
「あの、わたしはデザイン科の岩本志摩っていいます。今デッサンの対象物を探していて、あなたにお願いしたいんですけど。ダメですか? というか、その、お名前訊いてもいいですか?」
アキちゃんたちの失礼な物言いのおかげで冷静になれたわたしは、さっきよりもずっとまともなセリフを口にできた。
彼は戸惑った顔のまましばらく固まり、やがて小さく口を開いた。