*ビビッドDAYS!*
彼を前にすると、どういうわけかいつもの調子が出なくなって、ついつい喋りすぎてしまう。
わたしが差し出した缶をじっと見据え、彼が小さな口を開いた。
「なんで、分かった?」
「え? いや、通りすがりの人が、うじ君がここにいるって教えてくれて。なんかね、みんなわたしに情報提供してくれるんだよ」
わたしの言葉に、彼は小さく首を振る。
「そうじゃなくて、これ」
缶ジュースを指差して、彼は眩しそうにわたしを見上げる。