*ビビッドDAYS!*
「いいこと? 制限時間10分で、私こと秋本みどり様のありのままを描くのよ。賞品はうじ君。これでいいのね?」
「うむ、よい」
「いやちょっと待て。賞品がウジ野郎ってなんか違うだろ」
「では始め!」
「おいコラ!」
わめく信号機を無視してスケッチブックに鉛筆を走らせる。
正面ではアキちゃんが机の上で悩ましげなポーズをきめていた。
正直見るに堪えないけれど、ここは我慢のしどころだ。
「おええ」
堪えきれなかった信号機の呻き声を聞きながら、鉛筆でガシガシとスケッチブックを黒く染めていった。