*ビビッドDAYS!*

 


「まず……シンゴ。この樹木はなに?」



アキちゃんがこちらに向けた信号機のスケッチブックには、モミの木が描き出されていた。



「ばーろ、木じゃねえよ、これはアキの後姿――」

「真正面からあたしをスケッチしてたのになんで後姿なのよ! ていうか木じゃないのよ! どこから見ても木じゃないのよ!」

「おいおい、自分をそんなに卑下するもんじゃねえよ。俺の目にはお前がこんなふうに輝いて見えるんだぜ?」
 


言いながらアキちゃんであるらしい樹木の周辺に、鉛筆できらきらと星を散らす。



「まぎれもなくクリスマスツリー!」
 


< 90 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop