*ビビッドDAYS!*
信号機に脳天チョップをかましているアキちゃんの後姿は、確かに少しクリスマスツリーに似ている。
背中までの長いスパイラルヘアは末広がりの葉っぱのようだし、
浅黒くてごつごつしている肌は木肌を連想させ――
「志摩、何を考えてるの?」
不意にアキちゃんが振り向いて、わたしは必死に首を振った。
「いえ、決してクリスマスツリーみたいだなんて思ってないです」
「言っちゃってんじゃないのよ。ていうか、志摩。あんたもね、この丸の連なりは何なのよ! このド下手くそがっ!」
おなじ補習仲間のアキちゃんに言われるのは複雑だけれど、まあ確かに上手くはない。
わたしが制限時間で描き上げたのは身体の外側のラインだけだ。
顔、胴体、手足をだ円で表現したにすぎない。