*ビビッドDAYS!*
「というわけだから、うじ君は渡さない!」
「最初からいらねーよ!」
ていうか納得いかねー! と叫ぶ信号機を無視し、わたしはアトリエを飛び出した。
そのままA棟を目指す。
確か今日、普通科の授業は7限まであったはずだから、うじ君はまだ学校にいるはずだ。
頭上でチャイムが響くと、下校する普通科の生徒達が教室から溢れるようにして出てきた。
その波を掻き分けながら、うじ君のクラスに辿り着く。
人ごみの中から彼の姿を探し出すのは至難の技だった。
なんせ彼の特技は景色にすっかり溶け込むことだ。