*ビビッドDAYS!*
なぜだろう。
悲しいことなんか何もないのに、
傍で知らない女子生徒も見てるのに、
うじ君の顔を見ただけで喉の奥が締め付けられる。
「わたし、アキちゃんを描いて、それで勝負に勝って――」
気持ちばかりが急いて、説明がうまくできない。
それでも、必死にしゃべっているうちに、
わたしの頬にふわりと白い指があてがわれた。
「え」
まっすぐ下ろされたうじ君の視線に、心臓が大きく脈打つ。
思わず胸にさがったオペラグラスを握り締めると、彼は小さく溜息をこぼすように呟いた。