Dear:大切な君へ。
俺一人のせいで、先輩たちに迷惑かけるわけにはいかない。
だけど、それなら早くにはっきりしてしまったほうがいいような気がして。
「お疲れ様でしたー」
「夕美」
俺は部活後、体育館の入り口で夕美が出てくるのを待っていた。
そんな俺を見た夕美は、少しだけ驚いたような表情になって、すぐに気まずそうに視線を逸らした。
その仕草から、やっぱり夕美が俺のことを避けていたことが分かった。
「あー、とりあえず・・・・・この前はありがとな。ずっと看ててくれたって先生から聞いた」
「あ、うん。全然。健ちゃんも私のお見舞い来てくれてたし・・・・・」
そう言いながらも未だ夕美の視線は地面で、俺の方を見ようとしない。
「今日、避けてたのってやっぱりあの時のこと・・・・・だよな」