Dear:大切な君へ。

「でも、やっぱり私あっくんと別れたばかりなのに、すぐ健ちゃんのこと気になってる自分が嫌で、健ちゃんにもどう接していいかわからなくて・・・・・」




「それで避けてたのか?」




俺がそう聞くと、小さくうなずいた夕美。




「な、んだよ・・・・・俺引かれたのかと思ったじゃねぇか」




一気に脱力して、その場にしゃがみ込む。




「・・・・・俺ら、付き合うか?」




下から夕美の手を握り、見上げる。




すると夕美は首を横に振った。




「え・・・・・なんで」




その行動にショックを受けていると、




「その前に健ちゃんはインターハイ予選っていう大事な試合があるから、インターハイ予選が終わるまでは私のことなんか気にしないで、練習に集中してほしい」




握った手をギュッと握り返しながら、夕美はそう言った。



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