Dear:大切な君へ。
「じゃあ、インターハイ予選終わったら付き合ってくれんの?」
そう言うと、少しだけ視線を泳がせた後、
「・・・・・私でよければ」
と小さく呟いた。
「っしゃ!インターハイ予選まで頑張るから!!」
立ち上がって小さくガッツポーズをした俺を見て、夕美は少しだけ微笑んだ。
「じゃあ、帰るか」
そう言って俺らは夕美の家の近くで別れた。
家に帰った後も、さっきの夕美の言葉が夢のように感じて、夢落ちでしたっていう展開も考えてしまった。
だけど考えすぎて周りを見ておらず、テーブルにぶつけた足の小指がものすごく痛くて、現実だってことを痛感させた。