Dear:大切な君へ。
「あと、夕美はかなのこと頼りないと思ったから言わなかったって言ったけど、それは違うと思うぞ」
そう言うと、かなは少しだけ目を見開く。
「俺に話したって言っても、ほとんど無理やり聞き出したようなもんだし。そもそも俺がそうやって無理に聞き出さなかったら、夕美は誰にも話してなかったと思う」
「・・・・・」
「それに、俺が聞き出した時はまだDVされてるって気づいていなかったから。だから相談しなかったんだと思うよ」
「・・・・・そっか」
かなはそう呟くと、少しだけ安心したような表情になった。
「ま、とりあえず今はお互い明日からのインターハイ予選頑張らなきゃね!!」
「おう!!絶対優勝するぞ!!」
「私たちも、全力でサポートするから!!」
じゃあまた。
俺らはそれぞれ、明日の試合のために再び気合を入れなおして別れた。