Dear:大切な君へ。

「おいおい、いつまで泣いてんだよ」



試合後の更衣室、須藤先輩にそう言って苦笑いされる。




「俺があんとき・・・・・っ、ちゃんと決めてればっ」




「もう気にしなくていいっつうの。まぁ優勝はできなかったけど、ベスト8に入ることできたし」




ポンポン、と俺の頭を叩きながら須藤先輩は言う。




「悔しい気持ちはあるけど、後悔はねぇよ。むしろやりきった感でいっぱいだっつの。だから泣くな」




最後の方は、須藤先輩の声も震えていた。




そして、周りからも鼻をすする音や嗚咽が聞こえ始める。



「よし!!さっさと着替えて外に集合!!」




涙声で須藤先輩が指示を出して、みんな指示通り帰り支度を始めた。





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